おはようございます!
染矢建設の染矢忠彦です。
さて、今回は…
『収納とコスト』について
詳しくお話しいたしますね。
先週の「予算オーバーの原因」でお伝えしたとおり
家は、できる限りミニマムにつくるべきです。
これは「無駄なコストの削減」が最大の理由です。
コストを削減するためには
できる限りミニマムに家をつくることが
最も重要だというわけですね。
さて、今回お伝えさせていただく「収納」ですが
これは、いたずらにコストを押し上げてしまう
大きな要因となる要注意ポイントなのです。
「家を建てるなら、収納はたくさんつくりたい…」
家を建てる誰しもが
このようにお考えになるでしょう。
今暮らしているアパートの収納では
全てが納まりきらず部屋にあふれてしまい
新居では絶対にそうならないようにと…
そして、予算が許す限り
「出来るだけ多くの収納をつくりたい」と
担当の設計士に伝えてしまうのです。
✔ 家づくりの落とし穴
しかし、いざプランができあがってみると
「あれっ?これだけじゃ足りないんじゃないか?」
と感じてしまうのです。
なぜなら、プリントアウトされた間取図を
ひたすら上から見てしまうと
99.999…%と言えるほどの高確率で
「収納が少ない」と感じてしまうからです。
そして、その不安を打ち消すために
床面積を広げることによって
収納の分量を増やそうとしてしまいます。
その結果、それに連動して家のコストは
どんどん膨れ上がっていってしまうのです。
✔ 収納の正しい考え方
このように、収納を「床面積」で判断してしまうと
それに連動してコストが膨れ上がってしまうのですが
しかし床面積を広げたところで
それに比例して、より多くのモノが置けるようになる
というわけでもないのです。
動線をより短くし、利便性を高めるために
「通り抜け動線」にされる方がいらっしゃいますが
通り抜けが出来るということは…
=『廊下』がそこに出来るということであり
=そこは収納として使えなくなるということです。
その結果、床面積とコストは増えたものの
収納量は増えないどころか減ってしまった…
なんてことになってしまうのです。
では、どうすればいいのか?
この答えはとっても簡単で
収納は「壁面積」で考えるということです。
つまり
「壁をいかに上手く使うか?」ということが
収納量を大きく左右する要因となるわけですね。
例えば、一般的な天井高は2m40cmなのですが
この高さの中に
棚板を2枚しかつけないのと5枚つけたのでは
単純に収納場所が2倍違ってくることになります。
2枚の場合、3段の収納になるのに対し
5枚の場合、6段の収納になるからです。
また、LDKの周辺に置くものは
細々したモノばかりだと思いますが
これらを管理しやすくしようと思うならば
「奥行きの深い収納」をつくるより
「奥行きの浅い収納」をつくるべきです。
そして、奥行きを半分にし
逆に横幅を2倍にすれば
全く同じ床面積のまま
つまり、全く同じコストのままで
収納量を4倍にまで
増やすことが出来るのです。
そして
「家の壁の量を多くする」ということは
家づくりの重要ポイントでもあるのです。
「家の壁の量を多くする」
=「必要のない窓はなくすべきである」
ということなのですが、家の壁が多くなれば
収納として利用できる壁が増えますし
また、それだけではなく
壁が多くなった分、耐震性も高くなりますし
窓よりも壁が増えた分、断熱性も気密性も高くなります。
このように
「壁を上手く使う」ということを前提に
収納を計画することが出来れば
家のコストを上げることなく
収納がたっぷりある家を実現できます。
そして同時に
耐震性にも省エネ性にも優れた家を
つくることが出来るのです。
ですから
間取図をずっと眺めて不安を膨らませて
床面積とコストを無駄に増やしてしまうような
残念な家づくりは絶対にしないでくださいね。
それではまた!