皆さま こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの染矢です。
さて今回は…
住宅ローン選びの際に重要な
「店頭金利」と「適用金利」についてです。
まず「店頭金利」とは何なのか?
分かりやすく説明しますね。
「店頭金利」とは
金融機関がそれぞれに決めている
「金利の定価」のようなものです。
もちろんこの金利が低ければ低いほど
住宅ローンのリスクも低くなります。
それでは、以下の表をご覧ください。
日本のバブル経済前から現在までの
変動金利の店頭金利推移表です。
バブル期には8.00%を超える年もあります。
現在では信じられない値と言えます。
バブル期は高金利で住宅ローンを組んでも
それ以上のペースで不動産の価値が上がっていたので
店頭金利が8.0%を超えても成立していたのです。
しかし、バブルの崩壊とともに
不動産の価値は下がり
店頭金利は一気に下落しました。
1990年代後半からは多少の動きはあるものの
比較的安定した水準で推移するようになりました。
1999年2月には
日本銀行が金融政策のひとつとして
「ゼロ金利政策」を導入し
それからは長期にわたり低金利が続いています。
住宅金融支援機構の調べによると
2023年6月の金利動向は
固定金利期間選択型(3年)で3.140%
固定金利期間選択型(10年)で3.540%
変動型では2.475%
このような結果となっています。
「安定水準で低金利が続いているんなら
特に金利を気にする必要は無いんじゃない?」
こんな声も聞こえてきそうですね。
でも、それは大きな間違いです!!!
住宅ローンに係わる金利は
「店頭金利」だけではないのですから。
上記の表は
あくまでも「店頭金利」のデータであり
金利相場の今後の動向を探るには
参考になると言えますが
実際の借入の際に適用される金利は
これとは別の「適用金利」なのです。
先述したように「店頭金利」が
「金利の定価」のようなものに対して
「適用金利」は、定価ではなく
「値引きされた価格」のようなものです。
金融業界では
店頭金利と適用金利の差を
「金利優遇幅」と表現します。
例えば
店頭金利が2.475%で
金利優遇幅が2.005%ならば
適用金利は0.47%となります。
これは某ネット銀行の例です。
店頭金利から金利優遇によって
80%強も引き下げられているのですから
驚きですよね。
この金利優遇幅に関しては
金融機関によってかなりの差があるので
借入を検討している方は店頭金利ではなく
金融機関によって大きく変わってくる
「適用金利」を常に意識しなければなりません。
なお、貸し手である金融機関側が
相手を見て決められるようにするために
この金利優遇幅にも違いが設けられています。
借入金額が少なかったり
収入に対する返済割合が低い等の
貸し出しリスクが少ない人ほど
優遇幅は大きくなり、より低金利で
借り入れることができます。
逆に
貸し出しリスクが高いと判断された場合は
優遇幅が小さくなってしまうので
最小レートの適用金利で借り入れることが
できなくなります。
いかがでしたでしょうか?
住宅ローンを検討する際には
「店頭金利」だけではなく
「適用金利」をしっかり見極めて
賢く借り入れてくださいね。
資金計画の際には
金融機関毎の適用金利を比較して
ご提案をいたしますので
お気軽にご相談くださいませ。
それではまた!